はじめに



でも、釣った魚を美味しく食べるのも釣り人として魚に敬意を表する意味で大切だぞ。


特別に脂ののっていない魚でも美味しく食べられる調理法を教えてやる。
また、逆にやめておいた方がいい調理法も教えてやる。しっかり覚えるんだぞ。


脂ののっている魚は、お刺身や煮つけ、塩焼きなど何をしても美味しいものです。
しかしながら、脂ののっていない魚は、適切な調理法を選ばないと非常に不味くなってしまいます。
本記事では、脂ののっていない魚でも、美味しく食べることのできる方法をご紹介します。
おすすめ調理法①超簡単 お刺身の漬け

真鯛の漬けの炙りハラミ。刺身で食べずらいハラミ部分をづけにして炙ることで、半生で美味しく食べることができます。
レシピ
醤油:1
みりん:1
お酒:少々(多めでも可)
漬け込む時間:15分~
最初にご紹介するのはお刺身の漬けと言われる醤油とみりんに付けるだけの簡単調理法です。
刺身を漬けにして食べると、脂ののっていない魚でも、パサパサした感じが気にならず、おいしく食べることができます。
漬け丼にして中央に卵を載せて食べると、まろやかな生卵がより魚の身のぱさぱさ感をなくしてくれます。
また、大量に作ってしまったお刺身が余ってしまった場合にも、漬けにすることで、最低でも2,3日は保存がきくようになるためおすすめです。
調理方法は非常に簡単で、醤油、みりん、お酒を混ぜたものに刺身を漬け込むだけです。
漬け込む時間は、最低15分~となります。
当然、長く漬け込めば漬け込むほど、味が染みて美味しくなります。
ただし、漬け込みすぎると辛くなってしまうので、適宜、調味料から取り出すか、早めに食べてしまう必要があります。
また、ちょっとしたアレンジとしては、漬けにしておいた真鯛の刺身を載せて、お茶漬けにすると絶品です。
漬けは、当然、脂ののっている魚でも美味しくいただけます。
脂ののった魚の場合は、食べる前にガスバーナーで表面を軽く炙ると、脂がのっている分、より一層美味しく食べることができますので、ぜひ試してみてください。
おすすめ調理法②高級料理に早変わり お刺身のコブ締め

アカハタのコブ締め。刺身を昆布の上において暫く冷蔵庫で保管しておくだけで、昆布のうま味が刺身に移り、びっくりするほど味が変わります。
レシピ
昆布(市販品でOK):適量
〆る時間:30分~半日
次にご紹介するのは、お刺身のコブ締めです。
コブ締めと聞くと、何やら高級料理のイメージがあり、難しいと思われる方もいるかもしれませんが、実際は非常に簡単です。
調理法は、お刺身にした魚を、昆布の上に置くだけ。
たったこれだけで、余分な水分が昆布に移ると同時に、昆布のうまみがお刺身に移って、高級感あふれるお刺身に大変身します。
昆布も高級昆布で行う必要はなく、市販のダシ用の昆布で十分です。

コブ締め用の昆布。市販の早煮昆布でも問題ない。
私は羅臼(らうす)昆布を愛用しています。

筆者が愛用している羅臼(らうす)昆布。上品な味で、「だしの王様」とも呼ばれている。
私自身も、初めてコブ締めをしたときは、その手軽さとおいしさに感動しました。
昆布に水分が移るのに時間がかかるため、最低30分は〆ましょう。
〆た後の昆布は、そのままお鍋のダシにも使っても問題ありません。
※ただし、必ず加熱処理されることをおすすめします。
私の経験では、魚と昆布のダシが両方出ている(ような気がして)、よりおいしくと感じています。
例えば、「春のヒラメは猫またぎ」と呼ばれるほど、産卵後のため、身にうまみがないと言われています。
確かに、うまみは他のシーズンに比べて少ないです。
しかしながら、コブ締めにすることで、ヒラメも高級魚本来の姿を取り戻し、刺身でおいしく食べることができます。
注意
薄造りの刺身(ヒラメなど)を長時間占めると、身から水分が抜けすぎてしまいます。
目安は、30分~1時間程度です。
おすすめ調理法③困ったときのさっぱりな一品 カルパッチョ

白身魚のカルパッチョ。オリーブオイルが脂ののっていない魚のうまみのなさを和らげつつ、魚の風味を楽しみことができます。
レシピ
【4人前】
・ベビーリーフ:一袋
・玉ねぎスライス:半玉
・魚のお刺身:30cmクラスの魚の半身程度
【ソース】
・ブラックペッパー:適量(できればミルで引いて全体にかける)
・オリーブオイル:大さじ2
・塩:小さじ1/2
・醤油:小さじ2
・レモン果汁:小さじ2
※レモン果汁のほかに、カボスなど季節の柑橘系を使うとより良い。
最後にご紹介するのは、カルパッチョです。
カルパッチョに使われるオリーブオイルが、脂のない魚のぱさぱさ感をなくしてくれるのに加え、脂がない魚=さっぱりした魚という良い印象に変えてくれるため、非常におすすめです。
ソースにしょうゆを加えることで、お刺身が大好きな日本人好みの味にも仕上がります。
避けた方がいい2大調理法
①塩焼き

魚の塩焼き。脂ののっていない魚の塩焼きはパサパサして非常に不味い。
脂ののっていない魚の調理法で向いていないのは、塩焼きです。
脂がのっていないため、焼くことで、より身のぱさぱさ感が増してしまい、なんとも残念な味になってしまいます。
いつまでも口の中にぱさぱさ感が残るので、非常にまずいです。
イメージとしては、パッサパサの鶏むね肉を食べているのと同じです。
②煮つけ

鯛のアラ煮。鯛のゼラチン質まで美味しく食べられる。
避けた方がいい調理法のもう一つは煮つけです。
醤油で甘辛く煮付けるので、意外に大丈夫と思う方もいるかもしれませんが、先の塩焼きの時と同様に、身のパサパサ感が火を通すことで増すのでNGです。
煮つけの美味しい魚で有名なのどぐろは、脂が非常によくのっていることで有名かと思います。
脂ののっていない魚はその真逆なので、美味しくないことは想像できるかと思います。
おわりに
今回は、脂ののっていない魚の美味しい食べ方と、避けた方がいい調理法についてご紹介しました。
せっかく釣った魚は、美味しく食べてるのが魚にとっての最低限の礼儀かと思いますので、皆さんも本記事の内容を参考に、美味しく食べてみてください。