はじめに
釣り糸(以下、ライン)については、色々な種類(ナイロン、フロロ、PEなど)があることに加え、太さの表記も複数の表し方があります。
「号数とかポンドとかよくわからない」といった初心者の方や、「同じ表記の数値でも、なぜ値段と強さが違うんだろう?」と疑問に思われている方も、この記事を読めば、その疑問が解消されること間違いなしです。
本記事では、ラインの太さや強度について、定義に基づき解説いたします。
また、太さと強度についての換算表についても記載いたします。
ナイロン/フロロの号数とポンドのざっくり換算
「細かい説明は抜きに、手っ取り早くラインの号数とポンド数(lb)を換算したい。」という場合は、以下の考え方で換算が可能です。
ラインの号数×4=ポンド数(lb)
例えば、2.5号は、2.5号×4≒10ポンド≒4.5kgの強度(1ポンド≒450g)となります。
※あくまでも概算です。正確には下記の一覧表、より正確には購入予定のラインのパッケージでご確認ください。
号数とポンドの違い
最初に理解しておくことは以下の二点です。
ポイント
・号数=ラインの太さに関する定義
・ポンド(lb)=ラインの強さ(強度)に関する定義
相関関係があるため、ごちゃごちゃにしがちですが、表している内容が全く異なります。
号数の定義(ラインの太さの定義)
号数は、ラインの太さに関する定義です。
号数≠ポンド
号数≠強度
※ただし、相関関係はありますので、一覧表(概算)の作成が可能です。
ラインの単位は、一般社団法人社団法人日本釣り用品工業会が定める定義に基づいています。
なお、この規格を順守している企業一覧も掲載されています。
最も使用頻度が高いと思われる3号のラインの例を以下に示します。
上記図のように3号のラインでも太さに幅があります。
規格では、「上限・下限の直径が、前後の号柄の標準直径を追い越さないもの」とされているためです。
また、太くなるにつれて、この定義上での太さの幅は大きくなります。
3号のラインにおいて、最も細い場合は、標準値よりー5%細くなり、最も太い場合は、標準値より、+11%太くなります。
加えて、「強度等に関しては、各企業の裁量に委ねる。」とされており、号数(太さ)≠強度でないこともわかります。
これは、ラインの種類(ナイロン、フロロ、PEといった素材の違い)によっても、強度が大きく異なるためです。
(ただし、ラインの種類ごとに太さと強度に相関がありますので、概算の一覧表作成は可能です。)
ポンド(lb)の定義(強度の定義)
ポンド(lb)は重さの定義です。lbsはポンドの複数形です。釣り具ではどちらも同じ意味で使われています。
※ポンドはオランダ語で、ヤード/ポンド法などにおける質量の単位。
1ポンド=453.59237g(約450g)
ですので、10ポンドラインは450g×10≒4.5kgの強度。ということになります。
したがって、10ポンドラインは、4.5kgの負荷にまで「耐えられる」ということですが、この「耐えられる」の定義が各メーカーが採用している規格ごとに異なります。
これが、「同じ表記なのに、体感としてラインごとに強さが違う。」となってしまう原因です。
以下で詳しく解説していきます。
同じポンド表記なのに実際の強度に差が出るのはなぜか?
同じポンド表記でも、実際の強度に差があります。
それは、採用している規格によって、耐えられる負荷の上限値表記か、下限値表記かの違いがあるからです。
以下で、規格ごとに違いをより詳しく説明します。
ここからは、説明簡略化のため、10ポンド=4.5kgを例に説明します。
国産ラインで主流の規格
ポンドクラスライン 表記例:lbC/PCL/CLASS(lb)
日本メーカーが多く採用しているポンドクラスランは、耐えられる負荷の上限値を表しています。つまり、
10lbCのラインは、4.5kg以上の負荷がかかった場合は、絶対に切れます。
そのため、4.5kg以下でも切れる可能性があるということです。
実際にどれくらいで切れるかは、各メーカーの製品ごとでも異なります。
したがって、ポンドクラスラインのラインを使用した際に、規格の定義を理解していないと、「あれ、思ったより切れやすいぞ。」となってしまうということです。
海外ラインで主流の規格
ポンドテストライン lbT /PTL/TEST(lb)
海外メーカーや日本の一部メーカーが採用しているポンドテストラインは、耐えられる負荷の下限値を表しています。つまり、
10lbTのラインは、4.5kg以下の負荷であれば、絶対に切れません。
(実際には、5k、6kの負荷でも切れない可能性があります。)
したがって、耐えられる下限値を表しているので、ラインの強度を確認する際には、こちらの基準のほうが当然、安心感があります。
この上限値なのか、下限値なのかというのが、一見、同じ表記に見えても、実際の強度が全く違う理由です。
ナイロン/フロロの号数/ポンド(lb)/強度の換算表
PEラインに関する定義
PEラインについても、一般社団法人社団法人日本釣り用品工業会が定義を定めています。
PEラインの太さの規格は、デニールとなっています。
デニール(d)とは、重さの単位で、「長さ9,000m あたりの糸の質量をグラム単位をもって表したもの」となっています。
つまり、9000mの糸の重さが、20gだった場合、20dとなります。
このデニールという単位が、PEラインの定義となっているため、9000mあたりのラインでどれくらいの重さか?ということで判断されるため、当然ながら100m~300m単位で売られるラインには太さにムラがでてしまいます。
均一の太さにするためには、高度な技術が必要なため、これがラインの価格にも反映されます。
PEラインの号数/ポンド(lb)/強度の換算表
おすすめのPEライン
ここでは実際に筆者が利用しているPEラインで使ってみておすすめのものを紹介します。
よつあみ(YGK) Xブレイド スーパージグマン
表記はパッケージにMAXと記載してあり、ポンドクラスラインに相当すると思われます。
高価なラインなのにクラスラインかよ!と思われる方もいるかと思います。(私もそうです笑)
実際の使用感としては、強いラインの印象です。
ここぞというときの勝負の日には利用するようにしています。
シマノ ピットブル8
シマノのピットブル8は筆者もよく利用しています。
こちらもMAX表記なのでポンドクラスラインと想定されます。
安価でどこでも手に入る点が魅力です。
某大手通販サイトの口コミで「すぱすぱキレる」などと書いている方もいますが、筆者としては価格なりの強度で十分満足しています。
筆者は使用頻度が高いラインはピットブルを短いサイクルで交換するようにしています。
クレハ PEライン シーガー
ピットブルはどうも信用ならないので、他に安いラインはないか?という方におすすめがこちら。
こちらも表記はMAX表記なので、ポンドクラスラインです。
ピットブルと同じ価格帯で、10mごとのマーキングもついています。
おすすめのナイロンライン
ダイワ ジャストロン
堤防からのサビキ釣りや泳がせ釣りに愛用しているのがダイワのジャストロンです。
カラーも定番のクリア以外にオレンジやピンクもあり、視認性が高いラインが欲しい時にも非常に便利です。
価格も安く大量に使ってもお財布に優しい点も◎です。
おすすめフロロライン
シーガー グランドマックス
筆者が絶対的な信頼をおいているリーダー用のフロロラインがシーガーのグランドマックスです。
シーバスフィッシングで有名な「オヌマン氏」も愛用している有名なラインです。
私も実際の体感として強いラインという印象があります。
よつあみ(YGK) エックスブレイド FC アブソーバー
大物釣りでよく利用しているリーダーがよつあみのFCアブソーバーです。
遊漁船の船長に進められて使い始めました。
パッケージが大きく、取り出しやすい点も◎。